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精神分析臨床家の流儀(松木, 2010)

 転移解釈をすることは、生の出会いを試みることですから、私たち自身が傷つく、あるいは相手を傷つける、さらにはその両ケースが発生するという破局状況にあえて向かうことなのです。(pp.49-50)

 

 精神分析の臨床体験とは、好奇心とわからないことの狭間でもの想いを続けることなのでしょう。(p.61)

 

 私たちが臨床家であるのなら、読み込まなければならないのです。知識を得る、頭でわかるのではなく、体感的なものとしてつかむ必要があるのです。そのためには原著を読み込んでその著者と対話し、「ああ、そういうことなのか」と感じ入る体験こそが、精神分析臨床家としての進展にはとても大切なのです。(p.160)