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新訂 方法としての面接(土居, 2005)

 早晩言語化できるように助けるのが治療者の務めではあるが、しかしその前に、まず言語化できないでいる患者の心情をこちらも言語化なしに沈黙の中に察するのが、気持ちを汲むということの真義であると思う。(p.16)

 

 大体われわれはある人間を理解しようと思えば、その相手と何らかの人間的関係に入らなければならない。その関係が視点となって、相手を理解することが可能となるのである。(p.52)

 

 新しい発展を期待するためには、面接者が相手との接触によって引き起こされた内心の変化の意味を洞察し、それを認識にまで高めなければならない。(p.105)

 

 面接に置いて相手を理解するために働く共感は主観を通して客観を把握するという意味で独特な方法である(p.149)