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治療構造論を更新する(山崎, 2021)

 治療者と患者の生きる社会が同じものである保証はどこにもない。ゆえに、治療者が理想的であると想定する治癒像が、患者の生きる社会においてもそうである保証もどこにもない。私たちは、アプリオリに患者の治癒像を決定しておくのではなく、患者の生きる社会において望ましいとされている治癒像にも注意を払わねばならないのである。(pp.271-2)