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信念と想像(Britton, 1998 / 松木監訳, 2002)

 人があることを知っていると主張することはそれが議論の余地なく真実だと断言していることを意味するが、人があることを信じているというのはそれを真実だと思うがそうではないかもしれないという可能性も受け入れることを意味する…(中略)…私たちは初めは信じていることを知っていることのように扱い、信念を事実のように扱いがちである。信念を知識と考えている限り、信念が無意識の場合ほどではなくとも、私たちはその囚われの身である。つまり、それが信念に過ぎないと気づくことは、解放の行為である。私はこのような心的開放が精神分析の一つの機能だと思う。(pp.25-6)