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水たまり(Sztmvorska, 2002 / 沼野, 2022)

子供のころのあの恐怖をよく覚えている

水たまりを避けて通った

特に雨上がりの、できたばかりのを

どれも同じように見えるけれど

中には底なしのものがあるかもしれない

 

うっかり足を踏み入れようものならいきなり

下に向かって舞い上がり始める

下に向かってもっともっと深く

水面に映った雲の方に

さらにもっと先に。

 

それから水たまりは干上がり

私の上で閉ざされる

私は永遠に閉じ込められてしまうーーどんなに叫んでも

表面までは届かない。

 

後になってからやっと分かった--

すべての異常な冒険がこの世界の規則に

あてはまるものではない、と

かりにあてはまろうとしても

実際には起こることはありえない、と。