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治療構造論の影(大塚, 2021)

 治療構造論は公式の設定を基本としつつも、個々のクライアントの事情に合わせて柔軟にそれらを変化させ、最適な心理療法を提供することを求める。治療構造論において各種の設定は絶対的基準ではなく、調整可能な変数であり、個々のニーズに合わせて変化させるべきものである。そして、この変数には無限の可能性が考えられる。治療構造論は心理療法の適用範囲を精力的に拡大し、心理療法を多くの人にアクセス可能なものにすることに大いに貢献してきた。今後もそうであろう。(p.277)