よくいただくご質問と、それに対する当オフィスの考えを載せています。ご一読ください。
Q カウンセリングを受けてよくなるのでしょうか?
A 「よくなる」ということが何を意味するのかは人それぞれ異なりますから、まずはその方にとって「よくなる」ということがどういうことなのかを考えてみたいと思います。もし症状の改善を求めておられ、それが心理的要因に根差したものであるのなら「よくなる」ことは見込めるように思います。しかし、たとえば統合失調症の幻覚や妄想のような精神病の症状をなくすことを求めておられるのでしたら、残念ながらカウンセリングではほとんどの場合お役に立てないように思われます。また、その方がご自身の性格やこれまでの人間関係に起因した何らかの生き難さを感じておられ、その苦しさの解消や緩和を求められているのであれば、時間はかかるでしょうがカウンセリングは有効な手段の一つだと思われます。なお、このような見込みが立つかどうかを判断するためにも、カウンセリングや心理療法の導入に際しては、最初に丁寧にお話をうかがう必要があります。
Q どれくらい通うとよくなるのでしょうか?
A 心やその人のあり方がどのように変化していくか、どれくらいでよくなるのかといったことについて明確に答えることはとても難しいことだと思います。早くよくなりたいという気持ちは理解できますが、私たちの心(考え方や感じ方、人との関係の持ち方、あり方など)は長い時間をかけて形作られ、維持されているものですから、変化を望んでいても簡単には変化しないことが多くあります。変化を望まれていても、ある意味そのあり方に馴染んでいるため、変化することに抵抗する動きも生まれることがあります。腰を据えてじっくりと根気強く取り組まれる方が、「よくなる」ということやそれに向けての変化をより実感もって体験していけるように思います。
Q カウンセリングでは、ただ話を聞いてもらうだけなのでしょうか?
A 多くのカウンセリング/心理療法においては、クライエントの話を受容的な態度で傾聴するというのはカウンセラー/セラピストの基本的な態度であると思います。ただ、最初から最後まで「ただ聞いてもらうだけ」で終わるわけではないと思います。受容的な態度で傾聴することは私たちの基本的な態度ではあるのですが、それは何らかの目的があってなされているはずです。それはその方がどう困っているかを理解するためかもしれませんし、時にはとにかく聞く必要があるから聞くという場合もあるかもしれません。いずれにしても、何らかの目的意識のもとにカウンセラー/セラピストはお話を聞いているのだと思いますが、このご質問が真に問うているところは「アドバイスはもらえないのだろうか」ということでないかと思います。カウンセリング/心理療法のやり方やカウンセラー/セラピストの考え方によると思いますが、一般的にはアドバイスや指示などは行われません。精神分析的なアプローチでは、そこにある自信のなさや頼りたい気持ちなどに目を向け、それを明確にし、触れていくことになるように思います。
Q うまく話せるか自信がないのですが…。
A たとえ自分の身に(心に)起きていることであっても、それを言葉にしたり、人にわかるように伝えたりすることはとても難しいことだと思います。特に心が疲弊している時には、考えることも、それを言い表して人に伝えることも容易ではありません。また、「ちゃんと伝えなければ」という思いが強すぎる場合には、不安やそれゆえの緊張が邪魔をして、うまく話すことを難しくさせてしまいます。カウンセリング/心理療法では、その人自身のペースで話をすることが尊重されます。まずは自分が話しやすいところから、少しずつ言葉にしてみていただけたらと思います。
Q 子どものことで悩んでいるのですが、子どもは相談に行きたくないと言っています。
A まずは保護者の方にお越しいただき、どのようなことで悩んでおられるのかをうかがいたいと思います。お子さまについてのお悩みが家族関係に関連しているものと思われる場合には、お子さまの心の状態についての理解を伝えるとともに、どのように関わることが望ましそうかということについて考えることができるかと思います。なお、保護者の方自身の親との関係がお子さまの行動やお子さまとの関係に強く影響してると考えられる場合には、保護者の方にカウンセリング/心理療法をご提案させていただくこともあります。また、お子さまについてのお悩みが発達障害の特性に関連したものであったり、強迫性障害や統合失調症など精神科的な治療が必要と思われるものである場合には、より適当な医療機関や相談機関をご紹介させていただくようにしております。
Q なぜカウンセリングには定期的に通う必要があるのですか?
A 一般的にカウンセリング/心理療法を始める際には、いつ・どこで・どのように行っていくかということが取り決められます。心というとらえ難いもの理解していくためには、そのような枠組みを設える必要があるのです。私たちが星の動きを観察する時に、毎日観察する場所や望遠鏡の位置・角度を変えてしまっては正確な星の動きをとらえることなどできません。心をとらえようとする時にも、曜日や時間、場所などを取り決めておくことが大事なのです。このような取り決めの中で立ち現れてくるものを通して、その人の心や心の動きは捉えられていくのです。
Q なぜキャンセル料が必要なのですか?
A いくつかの理由を挙げることができますが、次のような説明がわかりやすいかと思います。キャンセルによってクライエントであるその人が不在であった場合でも、その人と会うはずだったその曜日のその時間には、不在の中、私たちカウンセラー/セラピストはそのキャンセルの意味について考えています。言葉ではなくキャンセルという行動によって、その人の心の動きが表されている可能性があるという考えているからです。そこで考えられたことは以後のカウンセリング/心理療法の中で扱われるかもしれませんし、カウンセラー/セラピストの心に留められ、表立っては扱われることはないかもしれません。しかし、いずれにしても、キャンセルによってその時のカウンセリング/心理療法という心について考え探索する営みがなかったことになるわけではないのです。
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